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美味しい鶏辞典Dictionary

臭みを取って美味しく調理

鶏肉と聞いてどのようなイメージを持ちますか?肉の中でいちばん旨味があって美味しい、皮の部分が大好き、ムネよりモモの方が食べやすい…などいろいろあると思いますが、気になる点はやはり「臭み」ではないでしょうか。鶏に限らず、肉には臭みが付きものですが、そこは口に入れるもの、極力臭みがない状態にしておきたいものです。そこで、肉類の中で人気が高い鶏に焦点をしぼって、「臭み」をとる方法と自宅での調理の仕方を考えてみます。
ダイエットの強い味方の鶏ムネ肉。安価で高たんぱくとあって、鶏ハムが人気。鶏ハムというのは、鶏のムネ肉をつかった加工食品です。お店では120gが200円前後で売られており、高くはないですが、毎日食べるとなると意外と出費がかさみます。作り方を臭みのとり方といっしょに見ていきます。
自家製鶏ハムをつくるコツは、「極限まで臭みをなくすこと!」です。お店で買う鶏ハムは美味しいですが、それを見よう見まねで自宅でつくると、鶏の独特な臭みがあります。この臭みが平気な方もいますが、食べ続けていたら、この臭みが受けつけなくなる可能性もあります。独特の鶏の臭みがトラウマになったりしたら、せっかくの鶏ハムがもったいないですよね。鶏ムネ肉は結構デリケートで、火を通すとすぐにパサつくだけでなく、臭みも強くなるのです。
ムネ肉の独特な臭みをなくすポイントは、「塩こうじ」と「肉掃除」、この2つが重要です。塩こうじは、米こうじに塩を混ぜた調味料です。しょっぱくて甘みもある塩こうじは、食品のうまみを増すにも最適。この塩こうじがなぜ鶏ハムによいかというと、たんぱく質をアミノ酸に分解し、臭みをなくしてやわらかさをだす作用があるからなのです。ムネ肉は特に高たんぱくな食品ですので、塩こうじとの相性もよく、中まで浸透し、うまみもでてかなりやわらかくなります。お酒につけたり、にんにくやしょうがを入れたりと、さまざまなレシピがありますが、圧倒的に塩こうじがいちばんやわらかくなります。鶏ハムをつくる工程で、火を通してもパサつくことがなく、しっとりと食べられるのも塩こうじのおかげなのですね。
さて、臭みをとるにはどうすればいいのでしょうか。まず「肉掃除」をしなければいけません。肉の余分な脂肪や筋をとり除く作業を「肉掃除」といいますが、どう掃除するかによって同じ肉でもおいしさが大きく違ってきます。最近のヘルシー志向の高まりで、「脂肪=敵」と思われがちですが、肉の脂肪はすべて敵、というわけではありません。料理では、動物性の脂の香りやうまみをいかに上手に利用するかが腕の見せどころ。香りやうまみを出すおいしい脂肪はほどよく残しつつ、臭みや雑味になる余分な脂肪をとり除くのがポイントなのです。

まず、皮の裏側の脂肪をとることがスタートです。皮を残して調理する場合は、皮の裏側を包丁の刃全体でしごくようにして脂肪を集め、最後に切り落とします。次に、皮と身の間の脂肪をとります。皮をめくり、身についている黄色い脂肪を包丁の刃先を使い、薄くそぐようにしてとり除きます。一度に取り切ろうとせず、数回に分けてしごき、丁寧に脂肪をとり除きましょう。そして黄色い脂肪をとります。厚みを均一にしながら包丁の刃先を使って、黄色い脂肪をとり除きます。この脂身やスジ、薄い膜などを取りのぞく下処理が大切で、お店で買った鶏ムネ肉は、しっかりと下処理をしないと臭みがとれません。これをやるとやらないでは、美味しさにもかかわってきますので、絶対にやってほしい工程です。

臭みを極限まで抜いて、なおかつ美味しくなる調理の仕方ですが、まず準備するものはムネ肉、塩こうじ、好みの香辛料、過熱ができるジップロック、これだけで大丈夫です。シンプルですが、ポイントは「塩こうじ」と「肉処理」です。香辛料はお好みで入れていいでしょう。ブラックペッパー、クレイジーソルト、にんにくなど、その日の気分によって変えてもいいですね。臭みをとるための肉掃除ですが、美味しさの8割を決めるくらいの重要なポイントですので、何度も言いますがなるべくていねいにおこないましょう。黄色っぽい部分は余分な脂肪で臭みになりますので、面倒かもしれませんがしっかりと処理をしていきます。まずは鶏ムネ肉についている皮をはぎます。皮のあいだにある脂肪は臭みにもなり、ダイエットでは余計ですのでとり除きます。ムネ肉の皮は油でカリカリにして食べたり、茹でてネギとポン酢で食べたりするととても美味しいですが、ダイエット中は控えるのがベスト。皮をはがない場合は、皮の裏にある黄色い脂肪を包丁でこそぐようにとり除きます。はぎとれない脂肪は、しっかりと切ってしまってもいいでしょう。そして身のはしについている黄色い脂肪をとり除きます。鶏ムネ肉には、ところどころに黄色い脂肪や筋がみえます。これが臭みの原因になるため、しっかりととり除きましょう。鶏ムネ肉を買ってくると、赤ピンクのドリップがトレーにたまっていることがあります。これは鶏ムネ肉からでた余分な肉汁のため、そこに浸かっていた鶏ムネ肉は、臭みの原因になります。そのため、クッキングペーパーなどでふきとり、余分な肉汁が鶏ムネ肉についていない状態にしましょう。次に鶏ムネ肉を食べやすいサイズに切ります。厚さが均等になるように、ときには観音開きのように切ります。お店の鶏ハムは約120gですので、その重さに合わせてもいいでしょう。次に鶏ムネ肉にフォークをさします。塩こうじなどの調味料がしみこみやすくなりますので、プスプスとしっかりさし込みましょう。そして香辛料を両面にまぶしていきます。クレイジーソルトとブラックペッパーがいいですが、お好みでも構いません。ジップロックに鶏ムネ肉を入れ、塩こうじを加えます。分量は裏面に表示されるとおりで大丈夫です。塩こうじを加えたら、しっかりともみこんでいきましょう。

この時点では、ジップロック内に空気が残っていても問題ありません。そしてジップロック内の空気を水圧でぬき、真空パックにします。大きな鍋に水を多めにはり、鶏ムネ肉を入れたジップロックを口が開いた状態で入れます。すると、水圧によって余計な空気がぬけますので、ギリギリまで沈めて真空にしてから口を閉めます。真空パックにすると少しの調味料でも味がしみこみやすいですので、ぜひやってみてください。これで下処理の完成です。味がしみこむまで冷蔵庫でねかせましょう。冷蔵庫で数時間から半日ほどねかせます。丸1日でも構いません。いよいよ工程の終盤、鍋に水を多く入れ、沸騰させます。このとき冷蔵庫にいれた鶏ムネ肉はとりだしておきましょう。できれば1時間くらい常温におきたいですが、沸騰した鍋にジップロックのまま1分ほどくぐらします。沸騰したら火をとめます。そのあとに鶏ムネ肉を入れたジップロックを鍋にひたします。鍋にフタをして、冷めるまで放置します。しっとりやわらかな、塩こうじの鶏ハムの完成です。臭みもまったくなく、かなりの美味しさですよ。保存は冷蔵庫で3日ほどですが、大量に作りおきした場合は120gくらいの食べきりサイズにラップでくるみ、冷凍庫で保存します。食べるときは電子レンジで温めましょう。熱が通っても塩こうじの効果でパサつきませんので、臭みもなく美味しく食べることができます。ぜひお試しください!