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美味しい鶏辞典Dictionary

鶏ハムの調理温度について~安全で美味しい調理のお話~

鶏むね肉をしっとり仕上げるには、低温でじっくり調理するのが一番です。しかし、鶏肉の低温調理は食中毒菌も気になるところです。今回は気になる食中毒菌のお話も含めて、安全で美味しい鶏ハムの作り方をご紹介いたします。

鶏ハムは塩漬けにした鶏むね肉を、低温で加熱してしっとり仕上げる料理です。
鶏むね肉は加熱するとパサつきが気になる部位ですが、鶏ハムにすることで驚くほどしっとりと滑らかな食感になります。

鶏ハムを作る時に大変重要なことは温度です。
生の鶏肉にはサルモネラ菌やカンピロバクターなどの食中毒菌が付着していることが多く、しっかり加熱しないと食中毒の危険性もあります。ですが、70度以上の高い温度で加熱するとパサパサした食感となってしまいます。

食中毒菌と低温調理

鶏ハムの調理で一番心配なことが、サルモネラ菌です。
サルモネラ菌に感染すると、下痢、嘔吐、発熱などの症状が1週間弱続くこととなります。ですが、サルモネラ菌は熱に弱い食中毒菌であるため、60度で2時間の加熱により、鶏ハム内部の温度もしっかり加熱されるため安心して食べることが出来ます。

食中毒菌の死滅温度と加熱時間の関係は、D値という値で示されます。
D値とは、一定の温度で加熱した時、食中毒菌が1/10になる時間を表したものです。

「食品微生物〈1〉基礎編―食品微生物の科学」によると、サルモネラ菌のD値は55~60℃で、D値:0.8分以下~1.0分以下ですので、60度で2時間の加熱だと中心温度が60度に達した状態が維持され、サルモネラ菌は死滅することとなります。
また、カンピロバクターも同様に死滅させることが可能です。

肉は、ミオシンというタンパク質が変質することで「火が入った」という状態となります。ミオシンの変性開始温度は50度以上です。もし鶏ハムの中心がまだ赤くて生の状態ということは、中心温度が50度に達していないということとなります。
食中毒菌は35度~40度の間で最も活性化するため、中心温度が50度に達することなくじっくり加熱された食材は非常に食中毒の危険がありますので、決して食べないようにして下さい。

鶏むね肉の場合は、レアというのは非常に危険です。
真ん中を切って、中までしっかり火が通っていることを確認しましょう。
火が通っていることが確認できたら、冷蔵庫で冷やして出来上がりです。

中まで火を通すためのポイントは
・たっぷりのお湯を沸かすこと。(少ないと冷めやすい)
・鶏肉は常温に戻しておくこと。(冷たすぎると火が通りにくい)
・沸騰後、アツアツのお湯につけて、冷めるまで放置すること。(一定時間おいて中までしっかり熱を入れる)

冬場は温度が下がりやすいため低温調理器や炊飯器の保温システムを使うのもいいでしょう。70度弱の温度をキープしてくれるため安心です。
また、お鍋で作る場合、普通のお鍋でも作ることはできますが、より温度が均一に伝わり冷めにくいホーロー製鍋がベストです。ストウブ、ルクルーゼ、バーミキュラなどは上手にできあがります。
安全に気を配り、健康で美味しい鶏ハム作りをお楽しみください。

より安全な調理法として、ここでは低温調理器や炊飯器を使った鶏ハムの作り方をご紹介します。

低温調理器を使った鶏ハムの作り方

【材料】
・鶏むね肉・・・2枚
・塩・・・20g(鶏むね肉の重量の5%)
・黒コショウ・・・適量
・はちみつ・・・大さじ1
・ローリエ・・・2枚

1. 鶏むね肉は、皮と脂肪の部分を取り除き、厚さが均等になるよう開きます。

2. 鶏むね肉に塩、砂糖、黒コショウ、はちみつ、ローリエを入れて全体がなじむように揉みこみます。

3. 袋にあまり空気が入らないよう水で空気を押し出し、袋の口を縛り、冷蔵庫で寝かせます。

4. 鶏むね肉をきれいに洗い流したあと、薄い塩水の中で1時間くらい塩抜きをします。30分経ったら一度水を入れ替えましょう。肉が重なっている部分などは塩が抜けにくいです。塩抜きをする時は、均等に塩が抜けるように何度かかき混ぜて下さい。

5. 塩抜きした鶏むね肉をラップで極太ソーセージのような形に成形します。ラップで巻いた後、端をキャンディのように絞ります。

6. 低温調理器をセットし、60度で2時間、鶏むね肉を加熱します。
7. 取り出して、中まで火が通っていたら出来上がりです。

炊飯器を使った鶏ハムの作り方

【材料】
・鶏むね肉・・・2枚
・砂糖・・・・・大さじ1
・塩・・・・・・大さじ1/2

1. 鶏むね肉は、皮と脂肪の部分を取り除き、厚さが均等になるよう開きます。

2. キッチンペーパーなどで水分を拭き取り、フォークなどで数か所刺し、砂糖と塩を両面にすり込みます。

3. くるくると棒状に巻き、ピッタリとラップに包みます。形を整え空気を抜きながら輪ゴムでしっかりと口を閉じます。

4. 密封袋に入れ冷蔵庫で半日以上寝かせて味をしみ込ませます。

5. 鶏むね肉をきれいに洗い流したあと、薄い塩水の中で1時間くらい塩抜きをします。30分経ったら一度水を入れ替えましょう。肉が重なっている部分などは塩が抜けにくいです。塩抜きをする時は、均等に塩が抜けるように何度かかき混ぜて下さい。

6. 炊飯器に80℃くらいのお湯をたっぷりと入れ、そこに密封袋ごと鶏肉を入れます。中身が浮いてしまうので、お皿などで落とし蓋をし、炊飯器の蓋をしたら1時間30分保温にします。
7. 時間になったら取り出し、粗熱を取り、肉汁がなじんだらできあがりです。

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