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美味しい鶏辞典Dictionary

鶏肉・鶏ハムの管理温度について

ラーメンやピザは多くの人が好きですね。

がっつり系の食事にもなり、ちょっぴり小腹を満たしたいときも重宝します。
でもルーティン過ぎてそろそろ飽きたかも、という向きには少し趣向を変えて鶏ハムなんかいかがでしょう。

温度が上がる季節には生もの系は注意が必要ですが、それを上回る美味しさを持っているのが鶏ハムなんですね。

市販のものでも十分美味しいですが、たまには自家製で洒落こんでみるのもありです。さて、それではどのように作れば美味しくできるのでしょうか。

鶏むね肉をしっとり仕上げるには、低温でじっくり調理するのが一番です。

しかし、鶏肉の低温調理は食中毒菌も気になるところですね。
そこで重要なのがお鍋。

火を切っても、お鍋はフタをしている限り80℃程度の温度を長時間保ちますので忘れないようにしましょう。
普通のお鍋でも作れますが、より温度が均一に伝わり冷めにくいホーロー製鍋がベストです。細かい温度設定ができるヨーグルトメーカーならなお安心です。

ヨーグルトメーカーは少々時間はかかりますが、鶏むね肉のポテンシャルを最大まで引き出せます。
鶏ハムは1日~2日ほど塩漬けにした鶏むね肉を、低温で加熱してしっとり仕上げる料理です。

鶏むね肉は加熱するとパサつきが気になる部位ですが、鶏ハムにすることで驚くほどしっとりと滑らかな食感になります。
何回もになりますが、鶏ハムを作るときに重要なことは温度。生の鶏肉にはサルモネラ菌やカンピロバクターなどの食中毒菌が付着していることが多く、しっかり加熱しないと食中毒の危険性があります。しかし、70度以上の高い温度で加熱するとパサパサした食感となってしまいます。

■確実に加熱をしながらも、パサつき感とは無縁の作り方を、温度の話をしながら見ていきましょう。

鶏ハムの調理で一番心配なことがサルモネラ菌です。
サルモネラ菌に感染すると、下痢、嘔吐、発熱などの症状が1週間弱続くことになります。

しかし、サルモネラ菌は高い温度に弱い食中毒菌であるため、60度で2時間の加熱により、鶏ハム内部の温度もしっかり加熱されるため、安心して食べることができるのです。

食中毒菌の死滅温度と加熱時間の関係は、ちょっと専門的な話になりますがD値という値で示されます。D値とは、一定の温度で加熱した時、食中毒菌が1/10になる時間を表したものです。

「食品微生物〈1〉基礎編―食品微生物の科学」によると、サルモネラ菌のD値は55~60℃で、D値:0.8分以下~1.0分以下ですので、60度で2時間の加熱だと中心温度が60度に達した状態が維持され、サルモネラ菌は死滅するのです。

また、カンピロバクターも同様に死滅させることが可能です。肉は、ミオシンというタンパク質が変質することで「火が入った」という状態になります。ミオシンの変性開始温度は50度~。もし鶏ハムの中心がまだ赤くて生の状態だとしたら、中心温度が50度に達していないということになります。食中毒菌は35度~40度の間で最も活性化するため、中心温度が50度に達することなくじっくり加熱された食材は非常に食中毒の危険があります ので、決して食べないようにしましょう。

ぜひ実施していただきたいのは低温調理で、徹底した温度管理のもとで行いますので食中毒の危険がほとんどなくなります。調理の仕方に戻りましょう。

・材料は鶏むね肉(皮なし)2枚(200g×2=400g)、塩20g(鶏むね肉の重量の5%)、黒コショウ適量、はちみつ大さじ1杯、ローリエ2枚、こんな感じです。

・鶏肉の皮を剥ぎ、綺麗に洗って水分を切ります。

・包丁などを使わなくても手で引っ張って剥ぐことができます。
このとき、余計な脂は包丁で切り落としておきましょう。

・綺麗に水洗いをして、ザルに上げてある程度水気を切ったあと、キッチンペーパーなどで余計な水気を拭き取ります。

・洗って水気を切った鶏むね肉、塩、砂糖、黒コショウを入れて全体がなじむように揉みます。

・袋にあまり空気が入らないよう水で空気を押し出し、袋の口を縛り、冷蔵庫で24時間程度寝かせます。

・皮を取り除いた鶏むね肉の重量の5%程度の塩で1日~2日漬け込みます。
一般的に人の味覚でちょうどよい塩分濃度は0.8%~1%と言われていて、5%では濃いですが、漬け込んだ後は塩抜きをするので大丈夫です。

・鶏ハムには、漬け込み時間や塩の分量を調節して塩抜きが必要ないレシピもありますが、まずは5%程度の塩で漬け込んでその後塩抜きをする方が、鶏ハムの余計な水分も抜けてより濃厚なハムらしい味わいになりますので、ひと手間かかりますがこの方法をおすすめします。

ちょっと切って焼いて食べてみると、しょっぱいかもしれません。
このままではお酒のつまみにしてもしょっぱいくらいかも。
また鶏むね肉から水分が出ていますが、これを綺麗に洗い流したあと、薄い塩水の中で1時間くらい塩抜きをします。30分経ったら一度水を入れ替えましょう。

肉が重なっている部分などは塩が抜けにくいです。塩抜きをする時は、均等に塩が抜けるように何度かかき混ぜて下さい。

塩抜きした鶏むね肉をラップで極太ソーセージのような形に成形します。ラップで巻いた後、端をキャンディのように絞ることで簡単に成形できます。

きつめに絞っておくことで、過熱された時に形が固まって綺麗な丸い鶏ハムができます。60度で2時間という温度を常に保つのは難しいですので、ANOVAという低温調理機を使います。

ANOVAは、指定した温度より低くなった時にはヒーターが作動して水温を温めてくれるため、狙った温度で確実に加熱することができます。

加熱しすぎや、生焼けの危険性がなくなって便利ですよ。炊飯器で作る方法などもありますが、炊飯器の保温温度は70度以上と鶏ハムをしっとり仕上げるためには少し温度が高いため、ちょうど良いタイミングで取り出す必要があります。

あまり早く取り出してしまうと生焼けだったり、ずっと放置していると加熱されすぎでパサパサになったりと、慣れるまで少々時間がかかるかもしれません。

特に鶏ハムの場合は、加熱が不十分な場合は食中毒 の危険性もありますので、確実に加熱を行う必要があります。食の安全という点でも、ANOVAはおすすめの調理器具です。

60度のお湯の中に、袋に入れた鶏むね肉を沈めて2時間待ちます。

鶏むね肉の場合は、レアというのは非常に危険です。

真ん中を切って、中までしっかり火が通っていることを確認しましょう。火が通っていることが確認できたら、冷蔵庫で冷やしてできあがりです。

食べてもパサつきはなくしっとりした仕上がりとなっているはずです。鶏ハムそのものに十分味が染み込んでいますので、そのまま食べても美味しいですが、エキストラバージンオリーブオイルをさっとかけてあげるとぐっと美味しくなります。

サラダとの相性も抜群で、低カロリーなのにしっかりとした食べごたえがありますので、ダイエットにもおすすめ。ついついお酒がすすむメニューです。

和え物としてもいいですね。

いかがでしょうか?ANOVAを使った低温調理の温度は60度で所要時間は2時間。

ANOVAは家庭で使う調理器具としては比較的高めの調理器具ですが、一家に一台あると料理の幅がぐっと広がります。それに、鶏肉はカンピロバクターやサルモネラ菌など生食をすると食中毒になる菌が存在していることが多いですので、低温調理は確実に加熱することが何より重要であると言えます。健康で美味しい料理作りを楽しみましょう。